ビジネス・経済
2017年2月21日
ここまで進化している車のIoT状況
清水りょういち
◆IoTはもう家電だけの話じゃなくなった。車はどのようにネットを活用するのか
「IoT」は、主にインターネット接続する家電を表すことがほとんどだったが、最近は自動車にまで大きくその可能性を広げている。これまではカーナビゲーション・システムがネット経由の車内情報を一手に担っていたが、次第にその様相は変化し始めている。日産やテスラ・モーターズなどが続々と自動運転車を開発して、車業界もコンピューター化は進んでいる。Appleもテスラの技術者をヘッドハンティングするなど、コンピューターメーカーからのアプローチも盛んだ。ただ、そうした技術には法整備などの壁が多いのも事実。
もっと手軽に車と親和性の高いガジェットといえば、スマホ。車とスマホを一気に近い存在にしたのは、ネット経由の配車サービス「Uber(ウーバー)」だろう。ネット経由の車関係のサービスとしては圧倒的な普及率で世の中を席巻した。
では自家用車としての車ではどうか。日本ですでにサービスが始まっているものとしては、数々の名車を生んできたポルシェが展開する「ポルシェ コネクト」がある。これは昨年末最新フルモデルチェンジした「ポルシェ パナメーラ」を中心に搭載されている一連のIoTサービスである。
◆車とスマホがシームレスに共存する世界へようこそ
この「ポルシェ コネクト」は専用アプリをスマホにダウンロードして使用する。車に乗り込む前にアプリを起動する。簡単なドライブプランを登録すると、Google Earth、Googleストリートビューなどと連動して、自由度の高いドライブが行えるのだ。今までだと、旅行計画を立てたあとは、改めてカーナビに目的地を登録して検索し直すか、そのままナビ代わりにスマホを使い続けるしかなかったのだが、この「ポルシェ コネクト」アプリでは、そのまま車に情報が同期する。アプリで細かく旅行計画を立てたら、そのまま車に情報を送れば、快適なドライブが可能なのだ。
ポルシェ車内にはあらかじめSIMが刺さっており、Wi-Fi電波が飛んでいる。そのため車のみならず、飛行機の予約までドライブプランに連動させられるというからすごい。なかでも地味に便利なのは、駐車場の空き状況や料金を調べられるところだろう。
自動運転などのエッジの効いた技術も興味深いが、今すぐに使えるIoTとして、スマホ連動アプリは車のIoT化の定着に大いに役立つに違いない。
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