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VRの新スタイル「視線追跡型VR」って何がすごいの?
2016年の「VR元年」から劇的に進化し続けるVR(バーチャルリアリティー)界に、新たなテクノロジー「視線追跡型VR」が加わった。従来のVRでは不可能だった世界を実現する技術とは、どのようなものなのだろうか。

◆人間の視野に近い世界を再現する「視線追跡型VR」は、VR環境を低コストで実現可能に

ソニー「PlayStation VR(PSVR)」の独壇場かと思われたVR日本市場に、新たな嵐が吹き荒れるかもしれない。ベンチャー企業FOVEの新テクノロジー「視線追認型VR」が、“不可能を可能にするVR技術”として注目されているのだ。

この「視線追跡型」をわかりやすく解説すると、VRヘッドセットを装着した際の視野を見直し、視線が向いている部分だけを高解像度で表示する技術のこと。

そもそも人間の目は、視線が向いていない部分はボヤけて見えるもの。視線の向きによって、低解像度と高解像度な部分を切り替える仕組みだ。「視線追跡型VR」は、こうした人間の目=視野に近い世界を実現したともいえる。

従来のVRヘッドセットは、すべての情景を高解像度に描き出すことで、現実世界を超越したかのようなバーチャルリアリティーを表現していた。ただし、画期的な技術に伴う、画像処理への大きな負荷とともに……。

VR環境の実現には高性能&高価なPCやディスプレイが不可欠で、それはコストに反映されてしまう。こうした機器の価格が、VR普及の足かせになっていることはご存知のとおり。

一方、高解像度な部分が少なくてすむ視線追跡型VRなら、低価格でVR環境を実現できるわけだ。

◆視線追跡型VRならではの没入感には“VR酔い”を軽減する効果も

視線追跡という技術自体は、以前から各方面で開発されてきた。ただ、大半は非実用的な据置型で、一般ユーザーにアピールできるような製品ではなかったようだ。視線追跡装置をVRヘッドセットに組み込む技術は、VR元年を経てようやく実用化されたのだ。

開発元のFOVEによると、人間の視線とVRが描き出す映像との差は、わずか0.2~0.5度。視線追跡装置を目に近い位置のVRヘッドセットに組み込むことで、高い精度を実現できているという。

また、ヘッドセットを装着したユーザーの視線にフォーカスすることで、周辺部分がボヤけ、没入感と自然な奥行き感を実現できる効果も。不自然な動きが抑えられ、VR初心者が陥りやすい「VR酔い」も軽減されるという。

2016年11月から先行予約が開始され、2017年1月から発送がスタートした初代ヘッドセットである視線追跡型VRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)「FOVE 0」は、本体重量が520グラムで、PSVRと比較して100グラムほど軽い。VRシーンをリードする「Oculus Rift(オキュラスリフト)」は440グラムなので、次世代機にはさらなる軽量化を期待したいところ。

もっとも、高スペックPCが必須のOculus Riftでは、VR環境を整えるために20万円以上の出費を覚悟しなければならない。かたやFOVE 0の要求スペックは、一般ユーザーが使うPCレベルでOKなのだからうれしい。

気になる実用面では、アニメーション映画「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」とのコラボレーションが第一弾に。

ハイエンドユーザー向きだったVRが、新しもの好きで「ちょっと試してみたがり」なユーザーも気軽に手を出せる遊びへ。そんな日が近いかもしれないと感じる、今日この頃だ。

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