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高性能なUSB3.0が普及しない異常事態! その理由を探る!
 PC周辺以外にも主に充電用途で生活用品からおもちゃまで多くの製品に採用されているUSB。ところがそうしたもののほとんどは古くからあるUSB2.0規格。数年前に華々しく登場した青い端子のUSB3.0対応の機器はあまり見かけない気が……?

◆15年前のUSB2.0規格が未だに元気に活躍している、その理由

 人々に一番身近なUSBといえばスマホ充電時に使用するmicroUSB端子だろう。角形のACアダプターなどにつないでスマホを充電する。それこそがUSB2.0規格が未だに元気に活躍している原因だ。通常のPCなどにさす方のA端子はUSB2.0と3.0で互換性があるが、microUSB端子側は互換性なし。形状が全く違う。

 なのでスマホ周りや、パーソナル扇風機などのUSB便利グッズは皆一様にUSB2.0規格のまま。近年、煙が出ない加熱式たばことして半年近く店頭品切れの大ヒットを記録している「iQOS(アイコス)」にしても充電のためのmicroUSB端子は2.0規格。ではUSB3.0は店頭などで全く見かけることはないのだろうか?

◆USB3.0対応機器はPC周辺機器とAV機器に集中して存在するが……

 そんなことはない。PC周辺機器としてのUSB3.0対応(最近ではよりレベルアップした3.1)対応機器はたくさん存在するし、むしろUSB2.0対応のみの機器の方が珍しい。外付けハードディスクやUSBメモリに至るまで、大容量のやりとりをする機器に人気なのはデータ転送速度が圧倒的に速いUSB3.0対応の品々だ。

 それと、もう一つ。家電量販店に、PC売り場以外で唯一USB3.0規格を見かける場所がある。テレビおよびHDDレコーダー売り場だ。そこには"USB3.0対応"を銘打った製品が散見できる。なるほど、ここでは3.0の恩恵を受けられるのか……。

◆実はUSB3.0対応にしてもあまり意味のないAV機器

 DVDの時代が終わり、テレビ放送を録画するのはもっぱらHDDレコーダーというのが現代。DVDを録画用途に使う人はどんどん減っている。ただHDDレコーダーに関して言えば、保存容量に限界があるわけで、ヘビーユーザーだと内蔵ディスク容量では足りず、外付けハードディスクを接続してそちらにも番組を録りためている人も多いだろう。

 最近ではテレビ自体が録画機能を搭載しているモデルも多いが、外付けハードディスクを接続すればより多くの番組が録画可能な機種も珍しくない。そんな時にと、テレビ録画用外付けハードディスクがこぞって謳っているのがUSB3.0対応だ。確かに転送速度の速いUSB3.0規格だとより精細な録画が可能になりそうな気がするのだが……。

 ところがこれ、落とし穴がある。実際に地デジやBS放送を録画する場合、そもそもの放送の転送ビットレートが20Mbpsいかない、高画質で有名なBSデジタルにしても25Mbpsというのが現状なのだ。

 USB3.0の転送速度は5000Mbps近くある。一方USB2.0は480Mbps。もちろん理論値なので、半分にして2500Mbpsと240Mbpsと考えてみよう。確かに、圧倒的な転送速度の差だ。だが、ちょっと待って欲しい。冷静に数値を比較してみると、USB2.0の段階で、BSデジタル放送の転送ビットレートである25Mbpsの10倍近いスピードを出せると考えられるのだ。そう、すでにUSB2.0の時点でオーバースペックなのだ。その5倍以上あるUSB3.0ケーブルを使って録画したからと言って高精細になるかどうかはいうまでもない。

 余談になるが、最近流行っている個人用ファイルサーバーNASを使った録画保存でも高精細になることはない。スマホや携帯ゲーム機を使えば外出先で録画した番組が見られる便利な機能なのだが、いかんせん、NASはLANを使ってのデータのやりとりになるためUSB2.0より転送速度が遅い。高速を謳っていてもようやく、2.0と同程度か少し上の速度しか出せないのだ。

 したがって用途によるが、やみくもにUSB3.0に惑わされることなくUSB2.0ライフを過ごしていても、しばらくは何も問題ないだろう。ただ、テレビ内臓のHDDに録画したデータを外付けHDDにコピーする時などは、体感で速度の差を実感できる。何十、何百時間も番組を保存しているような方や、数十秒のコピー時間が待てないせっかちな方は、3.0対応機器に乗り換えるのもありだろう。

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