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ビジネス・経済
相互利用化が進む交通系ICカード。ICOCA最強説は過去の話に!?
 2013年春に開始されて以来、丸3年が経過した「Suica」、「ICOCA」など交通系ICカードの全国相互利用。一時は定説だった“ICOCA最強説”が崩壊しつつある今、その最新事情とは?

◆関西圏での交通系ICカード相互利用に大変革!

 2016年春、交通系ICカードの全国相互利用に大きな変革があった。関西を中心に岡山、静岡を含めた鉄道・バス事業者で構成される「スルッとKANSAI協議会」に加盟する16のバス事業者が、交通系ICカードの全国相互利用網に加わったのだ。

 該当するバス事業者は以下の通り。

*大阪空港交通、京阪バス、京阪京都交通、京都京阪バス、江若交通、神姫バス、神姫グリーンバス、ウエスト神姫、神姫ゾーンバス、奈良交通、エヌシーバス、阪急バス、阪急田園バス、神鉄バス、阪神バス、尼崎交通事業振興

*大阪市営バス、南海バス、水間鉄道は従来から相互利用可能

 実はこれまで、関西圏を走る大半のバス路線では「PiTaPa」(関西私鉄系)と「ICOCA」(JR西日本)以外の交通系ICカードが利用できなかった。つまり、今回の変革で全国相互利用における最大の問題点が解消されたわけだ(チャージは鉄道の駅券売機でしか行えないケースが多いので要注意)。

 同時に、交通系ICカードにおける“ICOCA最強説”も崩壊することに。「ICOCA(あるいはPiTaPa)しか使えない」エリアがなくなり、「全国どこでも相互利用できる」という他カードへの優位性が失われたためだ。

◆交通系ICカード相互利用の利便性は、各社の利用可能エリア拡大待ち

 そうなるとむしろ、ICOCAの“弱点”が目に付き始めるのは皮肉な話。

 たとえば、北陸新幹線の開業に沸いた金沢駅(および周辺エリア)では、JR西日本管内にも関わらずICOCAの利用ができない。改札内のセブンイレブンや“エキナカ”のショッピングモールではチャージが可能なのに、駅の券売機では不可という奇妙な逆転現象まで起きている。お隣の富山エリアは、各駅で利用可なのだが……。

 金沢周辺は2017年4月末からICOCA利用可となる予定だが、Suicaが東北では仙台地区でしか使えないのと同様に、管内が広範囲なだけにNGエリアも多いという、JR西日本・東日本ならではの弱点ともいえそうだ。

 その点、「SUGOCA」を九州の全県庁所在地エリアで利用可能としているJR九州などは、頑張っている例といえるだろう。

 ただ、こうした事例は他地区の交通系ICカードを相互利用する場合も同じで、ICOCAやSuicaだけの弱点ではない。両カードが使えないエリアでは、SUGOCAを始めすべての交通系ICカードも使えないのだから。

 言い方を変えれば、「鉄道やバスの相互利用に関しては、“どの”カードを“どこで”利用しても大差ない」ということ。

 しかし、ICOCA最強説がなくなってしまったのは残念だが、多くの交通系ICカードで利便性が高まったと考えれば、ユーザー側としてはありがたい限り。今後もっと使いやすくなることに期待が持てるはずだ。

※記事内容は2016年5月現在の情報を基に作成。

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