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通信
ADSL回線をうまく利用すれば災害時でも通話やインターネット接続が利用可能に!?
◆ADSLなら停電しても通話やFAXが使えることも

 大地震など災害時に停電したら、電話はどうなる? ネットにも繋がらなくなる? ADSLは災害に強いって聞いたけれど、本当?

 基本的なADSLの仕組みを解説した前回で、ADSLなら停電時でも電話が使える(=通話ができる)ことは、ご理解いただけたはず。一般的な家庭などで需要があるかどうかは別にして、FAXも物理的には機能する。ただし、FAX機能は一般商用電源(コンセント)を利用するため、FAXが使えるかどうかは電源次第なので念のため。

 では、回線が現在の主流でもある光回線(光ファイバー)なら…?  

 答えは、残念ながら「NO」。電話局から給電(通電)されているADSLと違い、光回線は原則として停電=使用不能。ネット接続やFAXもNGだ。電話回線が進歩して光回線になったと勘違いしがちだが、実際の電話回線と光ファイバー網は別もので、ひかり電話など光回線用の電話とはIP電話の一種。光回線でも電話やFAXが使えるように工夫されていると考えれば、分かりやすいかもしれない。

 ちなみに、光契約の際には(ADSLで用いる)従来のアナログ電話回線を休止するのが一般的。光契約でもアナログ電話回線が残されている場合は問題なく、災害・停電時に備えて併用する考え方もあるが、通信費が二重にかかるため現実的とは言えそうにない(お住まいの地域や住居形態によっては、両回線を併用できない場合もあり)。

◆停電してもADSLを使えるのは、どうして?

 でも、大規模な停電なら電話局が停電してしまい、ADSL(アナログ電話)回線に給電することもできないのでは? 

 いいえ、それは大丈夫。主要ライフラインでもある電話を維持するため、電話局には巨大な充電池とディーゼル発電機が備えられているのだ。数日程度の停電なら問題なく対応できるはず。東日本大震災で各地が停電した際も、ADSL回線なので電話が使えた例は数多いという。

 つまり、ADSLなら災害時にも万全? これは「YES or NO」。

 電話(=通話)はOKでも、ネット接続にはADSLモデムが必要。ADSLモデムは一般商用電源を利用するので、停電時には当然、使えなくなる。UPS(無停電電源装置)があっても、長時間の動作は難しい。

◆ADSLなら停電時でもインターネットが使える!?

 ならば、停電時でもネット接続を維持する方法は? ここで陽の目を見るのが、パソコン通信の時代を知る方なら懐かしい、アナログモデム! ADSL=アナログ電話回線なので、旧式のモデムも使えるのだ。通信速度は最大56kbpsと激遅なものの、メールやTwitter程度であれば、なんとか実用になるレベル。ノートPCならFAX用にモデムを内蔵している製品も多く、種類は少ないもののUSB接続のアナログモデムも市販されている。

 となれば、最大の問題は「PCの電源」か。フル充電されたノートPCでも4~5時間が限界だろうが、緊急時には役立つはず。災害時のネット利用を想定するなら、予備バッテリーパックを常備することもお忘れなく。

 ちなみに、ADSLを使わずとも携帯電話があればいいのでは? と思う人もいるかもしれない。もちろん、携帯電話も災害時には有効な通信手段のひとつとなるかもしれない。ただし、携帯電話の通信設備の停止や倒壊、通話が集中することによって回線が混雑してつながりにくくなるなどのリスクも考えられる。だからこそ、ADSLはじめ他の通信手段を確保しておく必要があるのだ。緊急時の連絡方法が多すぎて困る……ということはない。

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