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WEB・インターネット
ネット動画として初のエミー賞を受賞するなど、世界各国で注目を集める新興ネットメディア「Vice」とは?
 「テレビ離れ」というキーワードが語られる機会も増えてきた、昨今。一方で、さまざまなネット動画メディアが脚光を浴び続けている。「世界で最も注目される新興メディア」と評される「Vice」も、そのひとつだ。

 ネット動画として初めてエミー賞まで受賞したViceは、今や全米の若者の間で「もっとも信頼できるニュース」ともいわれている。そう聞くと何やらお気軽な仰天ニュース映像サイトを思い浮かべそうだが、実はかなり硬派なメディアでもある。40分間以上にわたりイスラム国を徹底取材した動画は、すでに700万回以上の再生回数を記録。この映像が視聴できるViceのYouTubeチャンネルは、登録人数だけでも数百万人に達し、再生回数は億単位だという。

 ちなみに、映像ニュースが一人歩きしている印象も強いViceだが、サイトを使った文字ニュースも充実。日本版「Vice Japan」を見ても、トップ記事には過激派武装組織ボコ・ハラムと戦うナイジェリアの現状レポートが並ぶ。ほかにもバングラデシュの貧困、ウクライナでの宗派弾圧、メキシコで暗躍する犯罪カルテルの実態といった超硬派なルポから、アメリカで開発が進む宇宙園芸ロボット、オランダで話題を集めるキューブアート、ニューヨーク・ハードコアの歴史など、政治経済から芸術文化まで取り扱われる情報は実に幅広い。もちろん、日本の既存メディアではほとんど目にする機会がない、“今現在の、リアルな世界情勢”ばかりだ。

 映像に話を戻すと、Viceのニュース映像はとてもスタイリッシュだ。と同時に、ショッキングともいえるのだが……。騒乱の現場に入ったリポーターが、グーグルグラスを使って送り出す映像は臨場感にあふれる。また、既存のメディアと大きく異なるのは、そこにリポーターの個人視点が生かされている点だろう。パーソナルな取材感覚が、よりリアルな報道を生み出す。スマートフォンを使った個人によるUstreamなどでのストリーミング配信が、そのまま大規模なニュース映像になったと考えれば分かりやすいかもしれない。なにかと話題なドローンをいち早く紛争地帯に持ち込んだのも、Viceのニュース映像だったりする。

 “臭い物にフタ”をしたがる日本流の感覚からすると、Viceのニュースは毒々しいかもしれない。とはいえ日本も、いつまでも“島国”ではいられない。東京オリンピックに向けさまざまな面でのグローバル化が叫ばれる現在だからこそ、世界に蔓延する“毒”にも目を向ける必要があるのでは?

※記事は2015年6月現在の情報を基に作成。

※参考 Vice Japan

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